お昼寝。

先輩と一緒にお昼ご飯を食べた後、先輩とおしゃべりするのは、私のとっても大好きな時間でいつもすごく楽しみにしてるんだけど、今日は本当に嫌になるほど眠かった。
今日は練習見て帰れないし、先輩とお話できる数少ない時間なのに、と思いながら、先輩には悟られまいと必死で耐えてたんだけど、まぶたが重くなってくるのはどうしようもなくて、気付かないうちにうとうとしてしまっていたみたい。
「小坂田さん?もう昼休み終わっちゃうよ?」
先輩が私の肩を軽く揺すって私の顔を覗き込むように見ていた。
ぼんやりとした視界の向こうに先輩の顔を見ながら、心の片隅で起きなきゃって思ってはいるんだけれど、一度眠ってしまった頭と身体は全然働いてくれなかった。
先輩が私の名前を呼んでくれていたけど、何にも考える間もなく意識が遠のいていった。

5時間目もそろそろ終わりかなと言う頃、小坂田さんが目を覚ました。
「あ、目、覚めたかな?」
「・・・・え?う、うそ!?」
声を掛けてもしばらくぼんやりしていた小坂田さんだけど、俺の顔を見て時計を見て、驚いた表情で慌てて立ち上がった。
その拍子に足元の荷物に足をぶつけてバランスを崩して転びそうになったので、とっさに俺も立ち上がって小坂田さんの身体を抱きとめた。
「おっと、大丈夫?そんなに慌てなくてもいいよ。」
「はい・・・、大丈夫です。すみません・・・。」
そのまま抱きしめてたら、しばらく大人しく俺の腕の中に収まってた小坂田さんだったけど、ハッと気付いたように俺の顔を見上げた。
「ご、ごめんなさいっ!先輩、私に付き合ってくれてたんですよね。先輩に授業サボらせちゃうなんて・・・・。ほんとにごめんなさい・・・。」
小坂田さんは俺の腕の中から抜け出すと、ごめんなさいと頭を下げたまま、しゃべる声は段々涙声になってきた。
起こそうと思えば起こせたのにあえて起こさなかったのは俺の勝手で、むしろ何で起こしてくれなかったんですか?!と問い詰められても仕方のないことだったから、泣き出しそうな彼女を見てとても慌てた。
「そんなに気にしなくてもいいよ?授業は勝手に俺が休んだだけだから。俺の方こそごめん。無理にでも起こして教室に連れて行ってあげればよかったかな?」
「い、いえ!私のことはどうでもいいんです!ただ、先輩が・・・。」
うーん、どうしたらいいのかな。
どうやら小坂田さんは俺が授業を欠席してしまった事が、よっぽど気になって仕方ないらしい。
まあ俺にしても自分が授業を無断で休むだなんて普段は思いもよらない事だったけど、今は後悔どころか結構いい時間だった、などと思ってしまったりしている自分に驚いているくらいだ。
「えーっと、小坂田さん。」
「はい・・?」
「わざと起こさなかったって言ったら怒るかな?」
「え・・・?」
「授業始まる前に起こしてあげなきゃって思ってたんだけどね、自分に寄りかかったまま気持ちよさそうに眠ってる小坂田さん見てたら、起こすのが勿体無くなっちゃって、ずっと見てたんだ。」
「や、やだ・・・。ほんとに?ずーっと見てたんですか?恥ずかしい・・・。」
「だから、本当に気にしなくていいから。」
「・・・・ありがとうございます・・・。」
そういってはにかんだように笑った小坂田さんがとても愛しく思えて、肩を抱き寄せてまた抱きしめた。
「だけど、普段元気いっぱいなのに、意外と泣き虫だよね。」
そう言って笑ったら、頬を膨らませて「先輩って時々意地悪ですよね。」って俺の顔を軽く睨んだ。
その様子がとても可愛くて今は授業中なんだということもすっかり忘れて、そっと彼女に口付けた。
本当に恋って不思議なものだななんて柄にもないことを思いながら、授業が終わるチャイムの音が聞こえるまで二人で佇んでいた。


 結衣様にいただいてしまいました!
 すごいですー、大朋です大朋! 大和×朋香とかじゃないですよ! 大石×朋香ですよ!>大和×朋香の方がよっぽどありえませんがな(笑)
 結衣さんちに遊びに行って大朋トークを読み、ものすごい興味を抱いたカップリングなのですが、こうして形になったものを見せていただいて、「うわっ、かわいい!」と悶えてしまいました〜。すごいです副部長、かわいくてカッコよくて、男です!(笑)
 しかも、おまけまでいただいてしまって!
 結衣さん、本当にありがとうございました〜(^o^)!

 結衣さんの素敵サイトはこちら→Raindrop Traces


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